平成29年10月1日からフラット35が新機構団体信用生命保険つきの金利表示になりました。
新機構団体信用生命保険とは
新機構団体信用生命保険とは、
【フラット35】の団体信用生命保険(新機構団体信用生命保険制度)は、ご加入者が死亡・所定の身体障害状態になられた場合など※1に、住宅の持ち分、返済割合などにかかわらず、以後の【フラット35】の債務の返済が不要となる生命保険です。
※1 新3大疾病付機構団信は、死亡・所定の身体障害状態に加え、 3大疾病が原因で一定の要件に該当した場合および公的介護保険制度に定める要介護2から要介護5までのいずれかの状態などになられた場合も残りの返済が不要となります。
出典元:新機構団体信用生命保険制度|住宅金融支援機構
借入額3000万円の場合の新機構団体信用生命保険と収入保障保険の比較
新機構団体信用生命保険の保険料率
平成29年9月30日までは、0.36%
10月1日以降は、0.28%(平成29年9月30日までにフラット35の申し込みをしていた場合)
0.08%下がっています。
この0.08%でどのくらい金額が変わっているかをみてみます。
現在(平成29年12月)のフラット35の借入額9割以下で返済期間35年の金利は1.34%です。
フラット35Sなしで3000万円を借り入れた場合は総返済額3760万円、毎月の返済額9万円となります。
フラット35Sについては、こちらの記事をご参考に。
1.34%から上記の平成29年9月30日までの保険料率0.36%を引くと金利0.98%になります。
金利0.98%の場合は、総返済額3546万円、毎月の返済額8.5万円となります。
1.34%から上記の平成29年10月1日以降の保険料率0.28%を引くと金利1.06%になります。
金利1.06%の場合は、総返済額3593万円、毎月の返済額8.6万円となります。
3593万円ー3546万円=47万円となります。
保険料率が0.08%下がったことによって、総返済額が47万円下がります。
収入保障保険のほうがお得になるには
収入保障保険のほうがお得になるには、上記の金利1.34%の場合の総返済額3760万円から1.06%(1.34%から新機構団体信用生命保険の保険料率0.28%を引いた数値)の場合の総返済額3593万円を引いた額より少なくなる必要があります。
3760万円ー3593万円=167万円となります。
つまりこの167万円より少ない収入保障保険の保険料でないと損をしてしまいます。
9月30日以前では3760万円ー3546=214万円となりますので、9月30日以前のフラット35であれば、民間の収入保障保険のほうがお得になることも多く、実際に団信に加入せずに収入保障保険に加入された方も多いようです。
収入保障保険のシミュレーション
現在のフラット35の新機構団信保険料を167万円(上記の条件で)として、その額より少ない収入保障保険を探します。
今回は非喫煙者の場合におすすめの、最安値水準のチューリッヒ生命の収入保障保険プレミアムと、喫煙者の場合におすすめの、最安値水準のアクサダイレクトの収入保障2で考えてみます。
現在(平成29年12月)のフラット35の新機構団信なしの金利1.06%の場合は、総返済額3593万円なので、単純計算で3593万円を35年間で支払うには月8.6万円が必要になります。
3593万円÷35年÷12か月=8.6万円
ですから、収入保障年金額(月額)を9万円で考えてみます。
チューリッヒ生命の収入保障保険プレミアム
- 年齢30歳
- 男性
- 非喫煙・健康体
- 収入保障年金額(月額)9万円
- 保険期間65歳満了
- 年金支払保証期間1年
であれば、月払保険料が3249円となります。
3249円×12か月×35年=1,364,580円
35年では約136万円となり、167万円を下回りましたので、結果的にはチューリッヒ生命の収入保障保険プレミアムのほうがお得になりました。
ちなみに年齢35歳で保険期間70歳満了であれば保険料が35年で約187万円になり損をすることになります。
アクサダイレクトの収入保障2
- 年齢30歳
- 男性
- 収入保障年金額(月額)9万円
- 保険期間65歳満了
- 年金支払保証期間2年
であれば、月払保険料が3296円となります。
3296円×12か月×35年=1,384,320円
35年では約138万円となり、167万円を下回りましたので、結果的にはアクサダイレクトの収入保障2のほうがお得になりました。
ちなみに年齢35歳で保険期間70歳満了であれば保険料が35年で約203万円になり損をすることになります。
まとめ
平成29年10月1日からフラット35の団体信用生命保険の保険料率が変わったことによって、民間の収入保障保険に加入することによるメリットが減っています。
今回、新機構団信と民間の収入保障保険を比較してみて、年齢が若く、非喫煙者・健康体であれば、民間の収入保障保険のほうがお得になる可能性が高くなることがわかりました。
逆に年齢が若くなく、喫煙者の方などは民間の収入保障保険に加入するお得感は減ってしまいそうです。むしろ損をする可能性もあります。
ややこしいところですが、少しでも金額を抑えたいところです(。・ω・)ノ゙
(追記:住宅ローンフラット35の金利は毎月常に更新されているのでご注意ください)
以上、新機構団信と収入保障保険の比較でした。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。