狭小地に住宅を建てるときなどには駐車スペースの確保が難しいため、建物のなかに車庫をつくることがあります。
建売住宅でもたまに建物のなかに車庫がつくられた住宅を見かけます。
建物のなかにつくられた車庫のことを、ビルトインガレージと言います。そして、このビルトインガレージにはメリットとデメリットがあります。
デメリットについては、次のページに記載しております。
ビルトインガレージとは
『ビルトイン』は建物のなかに、
・はめられてる
という意味合いになります。つまりビルトインガレージとは、建物のなかに組み込まれてる車庫(倉庫)です。ビルトインがつく言葉としてはガレージの他に、食洗機やオーブンレンジなどがあります。
ビルトインガレージについて、『SUUMOの住宅用語大事典』にわかりやすく掲載されていました。
ビルトインガレージとは、クルマを格納するスペース(車庫)を建物の一部に組み込んで、シャッターやドアを設置したクローズドタイプのガレージのこと。
ビルトインガレージは、インナーガレージとも呼ばれています。よく間違えやすいのですが、ビルトインガレージはボックスガレージとはまた別のガレージになります。ビルトインガレージは建物の中、ボックスガレージは建物の外になります。
狭小地にある三階建て住宅では、一階部分にビルトインガレージがつくられていることが多いです。
ボックスガレージについては、こちらの記事をご参考ください。
ビルトインガレージの7つのメリット
まずビルトインガレージのメリットとしては、
などがあげられます。それではひとつずつ見ていきましょう。
敷地の有効活用ができる
ビルトインガレージの最大のメリットは、限られた敷地を有効に活用できることです。一般的なガレージでは、住宅とガレージをつくる敷地が必要になります。
しかしビルトインガレージでは、建物のなかにつくる車庫になるので住宅の敷地さえあれば駐車スペースをつくれます。そのため、狭小地のような狭い敷地の場合には、大きな利点となります。
ビルトインガレージの例としては、建物の一階部分に玄関と車庫をつくり、二階・三階部分を居住スペースとしている住宅です。
車の防犯になる
ビルトインガレージは、『シャッターやドアを設置したクローズタイプのガレージ』になるので車に対しての防犯面が良いというメリットがあります。
高価な車に乗っていると、盗難や車場荒らしなどの犯罪にあわないか心配になります。建物のなかに車庫があれば、シャッターで密閉されているだけでなく、家の中からすぐに車を確認することができるので安心です。
車の乗り降りで直射日光や雨にあたらない
ビルトインガレージは建物のなかにあるガレージになるので、ビルトインガレージに駐車していれば車が直射日光や雨にあたることはありません。
一般的な外につくるガレージでは、日除けや雨除けをするにはカーポートをつくらなければならないので外構工事費用が高くなってしまいます。
またビルトインガレージの場合、直射日光や雨にあたらないのは車だけでなく、車の乗り降りの際には自分たち自身も直射日光や雨にあたらずに済みます。
家の中で車をずっと眺めていられる
家のなかに車庫をつくっておけば、車を見たいときには家のなかでいつでも眺めていることができます。これは車好きな方にとっては、嬉しいことです。
外に出なくても家のなかで大好きな車をずっと眺めていられるのは、家のなかに車庫があるメリットです。車だけでなく、バイクや自転車、その他自分が好きなものを身近に感じながらゆっくりできるスペースになります。
このように、ビルトインガレージを趣味部屋としても利用することができます。
ガレージを倉庫として使える
ビルトインガレージは車を駐車するだけでなく、物置きの倉庫としても使えるというメリットがあります。長年家に住んでいると、「あまり使わないけど捨てるのはもったいない」といった物が増えてきます。そういったときに、倉庫変わりに物を置いておけるスペースがあるのは助かります。
また処分するまでの間、家のなかに置いておきたくない不要品などを、とりあえず一階の車庫に置いておくということもできます。
駐車料金をおさえられる
もし狭小地で敷地内にガレージをつくれないのであれば、車を月極め駐車場などで契約して駐車をしなければなりません。
敷地内にガレージをつくれない場合は、ビルトインガレージつきの家を建てれば月極め駐車場などに駐車をしなくて済むので毎月の駐車料金はかかりません。
都市部ではとくに駐車料金が高くなるので、ビルトインガレージをつくるメリットは大きくなります。
延べ床面積が1/5までなら固定資産税が安くなる
建築基準法において、ビルトインガレージを設ける場合、ガレージの面積が延べ床面積の1/5までは床面積に含めなくてもよいとされている。
例えば三階建ての住宅で一階部分にビルトインガレージをつくった場合、そのガレージの面積が住宅の延べ床面積の1/5までであれば住宅の延べ床面積に含めなくていいことになります。(容積率の緩和措置)
つまり、延べ床面積の1/5までのビルトインガレージであれば、ビルトインガレージがある三階建て住宅とビルトインガレージのない三階建て住宅では、同じ三階建て住宅でも前者のほうが固定資産税は安くなります。
ただ自治体によって評価基準が異なることもあるようなので確認が必要です。
容積率については、こちらの記事を。
固定資産税については、こちらの記事をご参考ください。
ビルトインガレージで後悔しがちなデメリットは、次のページへ続く