注文住宅を建てるには、先に住宅を建てる土地を探さなければなりません。
ハウスメーカーから先に決めた場合、あらかじめ建築費用と土地購入費用を合わせた総予算を考えて設定しておき、そこから建築費用を差し引いて土地購入費用にいくら当てられるかを考えます。
都市部や立地が良い場所の土地を希望していれば、当然土地価格は高くなります。
限られた予算の中で、都市部や立地の良い場所の土地を購入するには、狭小地の土地を購入するという方法もあります。
しかし狭小地は人によって好き嫌いがはっきりと別れるため、土地価格が安いからという理由だけで狭小地の土地を購入すると、あとで後悔してしまう可能性があります。
狭小地と狭小住宅
まず、狭小地と狭小住宅とはどのようなことを言うのか。
見ていきましょう。
狭小地の定義
明確な定義はないが、20坪以下(または15坪以下)の狭い土地を指すことが多い。
狭小地は面積が小さいため価格が安いが、三角形や台形などに変形していることも多く、周辺の土地相場よりも安くなることも多い。
狭小地に建てられた住宅は狭小住宅と呼ばれる。
狭小住宅とは
狭小地に建てられた狭小な住宅のこと。
居住空間を確保するために、地下室を設けたり、3階建てにすることが多い。
都市部では隣家と密接しており、採光や通風が得にくいため設計の工夫が求められる。
狭小地や狭小住宅は、郊外のほうではあまり見かけることはありませんが、都市部のほう(特に駅近)ではよく見かけます。
狭小地に建てる狭小住宅では、隣の住宅との間が狭く密接していることが多いです。
狭小住宅の5つのメリット
狭小地に建てる住宅には、良い面と悪い面があります。
狭小住宅の一般的な良い面としては土地が狭い分、土地の価格が安くなること。悪い面としては、土地が狭く住宅も狭くなってしまうこと。
などがあげられますが、その他にもメリットやデメリットとなるものがあります。
土地の価格が安い
狭小地に住宅を建てる一番のメリットは、やはり土地の価格が安いところです。
立地などの条件が同じであれば、当然広い土地よりも狭小地の土地のほうが価格は安くなります。
土地の価格を安くおさえることができれば、建物のほうに予算を当てることもできます。
税金が安い
狭小地に住宅を建てれば、土地や住宅の面積が小さいため、それらにかかる税金が安くなるというメリットがあります。
その税金とは、不動産取得税、固定資産税、都市計画税などです。
不動産取得税については、こちらの記事をご参考ください。
固定資産税については、こちらの記事をご参考ください。
外構工事費用が安い
外構工事は土地が広いほど、フェンスや庭、アプローチなどをつくる面積も増えますので、費用が高くなります。
狭小住宅では、外構工事が必要な箇所も少なくなるため、外構工事費用は安くなります。
都市部や立地が良い場所でも住みやすい
都市部や立地が良い場所では、土地の価格は高く設定されています。
都市部の駅近に住宅を建てて住みたいと考えていても、土地の価格が高いので現実的にはなかなか住むことができません。
そのようなときに狭小住宅であれば土地の価格が安くおさえられるので、都市部や立地の良い場所でも比較的住みやすくはなります。
ビルトインガレージをつくりやすい
狭小地に建てる住宅だからビルトインガレージをつくれるということでは決してありませんが、狭小地では三階建て住宅になる可能性が高く、敷地を有効に使うためにビルトインガレージをつくっている住宅も多いようです。
ビルトインガレージは、住宅の中にガレージがあるので防犯対策にもなりますし、雨風や車の日焼けも気にせずにすみます。
また車が好きな方にとっては、住宅の中から間近で車を眺めていることができるのでメリットになります。
ビルトインガレージについては、こちらの記事をご参考ください。
狭小住宅の5つのデメリット
続いて、狭小住宅のデメリットです。
住宅が密接している
狭小地の住宅では、隣の住宅との間が非常に狭くなります。
アパートのように壁一枚で隣の住宅と繋っているわけではありませんが、住宅と住宅との間隔が狭いと騒音などから近隣とトラブルになる可能性は高くなるのでデメリットといえます。
また、住宅が隣と密接した地域では火事などの被害には注意が必要です。
動線が長くなる
狭小地では地下階や三階建ての住宅にすることが多いため、階段を使った移動が増えてしまいます。
そのため、動線が長くなってしまうという欠点があります。
トイレの場所によっては、毎回階段を使わないとトイレを利用できないなんてこともありえます。
窓の位置が限られる
狭小住宅では、隣の住宅と密接している可能性が高いため、密接している側に窓をつくるのは難しくなります。
もし密接している側に窓をつくったとしても、プライバシーの問題や騒音トラブルになる可能性も高くなります。
また、例え密接している側に窓をつくったとしても、結局隣の住宅の壁で風通しや日当たりは良くないことが予想されます。
このように、狭小住宅では窓の位置が限られるというデメリットがあります。
建築費用が高い
狭小地での建築は、トラックや重機の搬入が難しい可能性があり、余計な費用がかかってしまうことがあります。
また、狭小地では前面道路が狭いことが予想され現場の方が乗ってくるトラックなどを停めておく駐車スペースがないため、これらの毎日の駐車料金が別でかかってしまうことがあります。
そのため結果的に建築費用が高くなり、デメリットとなる可能性もあります。
庭がつくれない
狭小地に建てる住宅では、庭をつくるスペースがほとんどありません。
庭つきのマイホームを持ちたい方にとってはデメリットになります。
狭小住宅の良い点と悪い点のまとめ
狭小住宅の良いところは、
土地の価格が安い
税金が安い
外構工事費用が安い
都市部や立地が良い場所でも住みやすい
ビルトインガレージをつくりやすい
反対に良くないところは、
住宅が密接している
動線が長くなる
窓の位置が限られる
建築費用が高い
庭がつくれない
などがあげられます。
狭小住宅は、都市部や立地の良い場所に住宅を建てたい方にとってはメリットとなりますが、郊外での住まいを考えている方にとってはデメリットのほうが多くなりそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。