家を購入するときに住宅ローンを申し込む方も多いですが、その返済方法によって数十万円も返済額が変わる場合もあるので注意が必要です。
今回は、住宅ローンの返済方法を比較して、おすすめの返済方法を考えていきたいと思います。
住宅ローンの返済方法の比較
住宅ローンの返済方法について
ローンの返済額は元金と利息を合わせた額になります。元金とは、実際に借り入れた金額のことです。
住宅ローンの返済方法には、二種類の方法があります。それは、元利均等返済と元金均等返済です。
元利均等返済とは
元利均等返済(読み方:がんりきんとうへんさい)
毎月の返済額が一定になりますが、利息と元金の割合は変動します。返済額は当初は利息部分の返済が多いですが、返済していくうちに元金部分の返済が多くなってきます。
元利均等返済のメリットとデメリットは、下記になります。
元利均等返済のメリット
毎月の返済額がずっと一定なので、将来の資金計画を立てやすくなります。
元金均等返済に比べると、返済当初の月の返済額は少なくなります。
元利均等返済のデメリット
元金均等返済に比べると、総返済額は多くなります。
元金均等返済とは
元金均等返済(読み方:がんきんきんとうへんさい)
毎月の返済額は違い、返済当初の返済額は多くなりますが徐々に返済額が減少していきます。
元金部分の返済は一定で、利息部分を上乗せして返済していきます。
元金均等返済のメリットとデメリットは、下記になります。
元金均等返済のメリット
元利均等返済に比べると、総返済額は少なくなります。
毎月の返済額は徐々に減少していきますので、将来的には楽になります。
元金均等返済のデメリット
元利均等返済に比べると、返済当初の月の返済額は多くなります。
住宅ローンの返済シミュレーション比較
返済シミュレーションをして、それぞれ比較していきたいと思います。
借入額3000万円、固定金利、金利1.0%、返済期間35年、ボーナス返済なしの場合
■当初の月の返済額
<元利均等返済>
84,685円
<元金均等返済>
96,428円
差額11,743円、元金均等返済のほうが高くなります。
■総返済額
35,567,804円
<元金均等返済>
35,262,332円
差額305,472円、元利均等返済のほうが高くなります。
つまり、元金均等返済のほうがお得になります。
借入額3000万円、変動金利、金利0.7%、返済期間35年、ボーナス返済なしの場合
■当初の月の返済額
<元利均等返済>
80,556円
<元金均等返済>
88,928円
差額8,372円、元金均等返済のほうが高くなります。
■総返済額
<元利均等返済>
33,833,403円
<元金均等返済>
33,683,610円
差額149,793円、元利均等返済のほうが高くなります。
つまり、元金均等返済のほうがお得になります。
住宅ローンの返済方法でお得なのは?
住宅ローンの返済方法の元利均等返済と元金均等返済を比較すると、総返済額の面からみて元金均等返済のほうが絶対にお得でおすすめです。
ただ返済当初は元金均等返済のほうが月の返済額が高くなるので、返済当初の月の返済額で資金計画をたてる必要があります。
その返済当初の資金計画で無理がない方であれば、住宅ローンの返済方法は元金均等返済のほうがおすすめになります。
元利均等返済は総返済額の面からみると劣りますが、返済当初の月の返済額が元金均等返済より少なくすむうえに、ずっと毎月の返済額が一定なので当初から無理なく資金をやりくりできます。
繰り上げ返済とは
住宅ローンを組んでから、将来お金に余裕ができれば、大半の方が繰り上げ返済を行います。借り入れをすると利息部分がもったいないですからね(;´Д`)
繰り上げ返済方法には、返済額軽減型と期間短縮型があります。どちらの返済方法で繰り上げ返済を行えばお得になるのか。返済額軽減型と期間短縮型の比較をして繰り上げ返済方法の違いを書いていきます。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別に返済をして、結果的に利息分を減らしていく方法です。
毎月の返済では元金と利息部分の返済になりますが、繰り上げ返済では元金部分のみの返済となります。繰り上げ返済を行い、元金を通常よりも早く減らすことで、その元金にかかる利息も減るというかたちです。
繰り上げ返済方法の違い
繰り上げ返済方法の違いについてご紹介していきます。
一括(全部)繰り上げ返済と一部繰り上げ返済の違い
一括(全部)繰り上げ返済とは、ローンの残額全てを一括して返済する方法です。
一部繰り上げ返済とは、ローンの残額の一部を返済する方法です。
当然お金に余裕があれば、一括(全部)繰り上げ返済をするほうがいいですが、まとまったお金が急に入るなんてことはなかなかないものです(TT)
期間短縮型と返済額軽減(圧縮)型の違い
繰り上げ返済には、期間短縮型と返済額軽減(圧縮)型という方法があります。
期間短縮型は、繰り上げ返済をした以降も毎月の返済額は変えずに残りの返済期間を短縮する方法です。
返済額軽減(圧縮)型は、繰り上げ返済をした以降、毎月の返済額を減らして残りの返済期間は変えずにいくという方法です。
名前からすると、返済額軽減(圧縮)型のほうがお得なように感じますが、実際には総返済額からみると期間短縮型のほうがお得になります。
返済額軽減型と期間短縮型の繰り上げ返済によるそれぞれの返済額シュミレーション比較
■借入額3000万円、固定金利1.0%、返済期間35年、ボーナス返済なし、元利均等返済、10年後に200万円を一部繰り上げ返済した場合
通常
毎月の返済額=84,685円
総返済額=35,567,700円
残り返済期間=25年
期間短縮型の一部繰り上げ返済をした場合
毎月の返済額=84,685円
総返済額=35,047,165円
残り返済期間=22年7ヶ月
返済額軽減(圧縮)型の一部繰り上げ返済をした場合
毎月の返済額=77,148円
総返済額=35,306,600円
残り返済期間=25年
■上記条件で元金均等返済の場合
通常
毎月の返済額=89,286円
総返済額=35,262,459円
残り返済期間=25年
期間短縮型の一部繰り上げ返済をした場合
毎月の返済額=87,619円
総返済額=34,784,948円
残り返済期間=22年8ヶ月
返済額軽減(圧縮)型の一部繰り上げ返済をした場合
毎月の返済額=80,952円
総返済額=35,011,533円
残り返済期間=25年
繰り上げ返済方法のお得になるのは?
住宅ローンの返済額軽減型と期間短縮型の繰り上げ返済方法の比較をした結果、毎月の返済額では、返済額軽減(圧縮)型が少なくなりますが、総返済額では期間短縮型のほうが少なく結果的にはお得になります。
このように住宅ローンの繰り上げ返済方法の違いによっても毎月の返済額や総返済額が変わってきますので、しっかりと資金計画をたてて返済していく必要がありますね(゜〇゜;)